第20章 力の制御
何も知らない三葉の言葉で空気が変わった。
グレン
「助かる。あいつらは古い鬼呪の資料も読めるからな」
あいつらとはグレンの仲間達の事で、彼らならあの資料を読めるのだそうだ。
ただ読ませると死んでしまう。
そう言われては、グレン以外に読める人がいるのに見せる事はできなかった。
グレン
「じゃあお前は中に戻れ。危ないから外に出るなよ」
三葉
「分かりました」
優ちゃんの相手をするのはお兄ちゃんとグレンとミカの3人。
他は読む事のできない資料の解読と何かあった時の為に待機をしている。
「じゃあ私も行くね」
本当に3人だけで止められるか心配ではあるが、三葉に続いて屋敷へと入った。
*****
玄関では与一が待っていた。
シノアと鳴海、君月は資料の解読を任されていてここにはいない。
この人数ならあまり役に立たない可能性が高いが、すぐ助けに入れる様に玄関近くの部屋を案内した。
与一
「危ないから出ちゃダメって言われたけど大丈夫かな?」
三葉
「…知るか。もうどこから何が危ないのかあたしには分かんないよ」
与一
「…確かに」
そっけない三葉だが、そう思うのも仕方が無い。
私ですらこの状況についていけていない。
混乱するのも無理ないだろう。
与一
「でも中佐が帰ってきてくれてちょっとだけほっとしたよね…」
三葉
「まあ…な」