第20章 力の制御
グレン
「………」
僕が現れた事により、グレンは話をやめて歩き出した。
その後ろに優ちゃんと共に続きながら話しかける。
ミカ
「その修行ってのは…」
グレン
「薬を使うだけだ」
ミカ
「…また薬」
やはりそれしか方法がないのだろう。
分かっているが、日本帝鬼軍が開発した薬だ。
信用できる訳がない。
ミカ
「その副作用は?」
グレン
「はっ、それ聞いてなんか安心すんのか?」
ミカ
「………」
バカにした様に吐き捨てられ、さすがに頭にきた。
剣の柄に触れながら優ちゃんへと視線を移す。
ミカ
「優ちゃん」
優一郎
「ん?」
ミカ
「早くも好きにならないって分かったから、こいつの首斬り落としていい?」
優一郎
「だーめ」
この提案はもちろん止められてしまった。
*****
(アリスside)
玄関に戻ると、私達と別れた時と同じ様に壁に寄りかかっていたお兄ちゃん。
それから特に話す事もなく傍にいると、扉が開いてグレンが出てきた。
「…なんか意外なメンバー」
クローリー
「はは」
グレンの後ろには優ちゃんだけでなくミカもいて、お兄ちゃんも笑っている。
恐らくミカがグレンを監視しているから一緒にいるのだろうが、面倒事が起きそうなメンバーだ。
優一郎
「アリスにクローリーもここにいたのか」