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罪と罰【終わりのセラフ】

第20章 力の制御




それでも渋い顔をするのはそのリスクの大きさにあるだろう。


優一郎
「家族の俺がそうなったとしてもこれは必要な事だとお前は思ってる」


グレン
「…ああ」

優一郎
「ならいい、信じるよ」


それだけで信じてしまう優ちゃん。
優ちゃんの家族への怖い程の信頼は少し危険だと思わされた。

そして次に言うであろう言葉を予測して彼らの背中へと近づく。


優一郎
「あ、リスクの事はミカには…」

ミカ
「聞いてますけど、全部」

優一郎
「おわっ!!」


予想通りの結果に後ろから声をかける。
絶対に優ちゃんはリスクがある事を僕に隠すと思っていた。

先程なんとか丸め込んだのにリスクの事を話せば僕が反対すると思ったのだ。


ミカ
「ちょっと優ちゃん。いきなり隠し事ってどういう事だよ」

優一郎
「あー」


想定しなかった僕の登場に優ちゃんは焦って言い訳を考え始める。
でも思いつかなかった様だ。


優一郎
「ごめんミカ、リスクあるって」

ミカ
「素直に言ってもダメ」

優一郎
「えー」

ミカ
「絶対ダメ」


リスクがある事を素直に言うが、それで良いわけがないし、そもそもそういう問題でもない。


優一郎
「でもしょーがねーじゃん。強くなんなきゃいけないし」

ミカ
「何がしょーがないのか全然わかんないよ…」


でもやっぱり僕は優ちゃんに甘くて、今回もこのまま流される。
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