第20章 力の制御
でも修行をする期間なんてあまりないはずだ。
ここで時間を使いすぎると2人の救出は困難になる。
優一郎
「そういやクローリーが終わりのセラフの力をコントロールするって言ってたけどそれか?」
グレン
「限定解放だ。数秒だけあの力を使えるようにする」
優一郎
「へー」
そんな事なら尚更短時間でできる訳がないし、簡単にできるのなら既にやっていたはずだ。
優一郎
「ちなみに暴走してる時記憶無いんだ。敵も関係なく無差別に攻撃してるっぽい」
グレン
「そうだな」
優一郎
「今度は意識があるのか?」
グレン
「ああ、多分ぎりぎり」
もし本当にできるのなら、あの第五位始祖にも勝てる可能性は上がる。
できなければ勝ち目は0に等しい。
人間は捕まりに、吸血鬼は殺されに行くだけだ。
優一郎
「ぎりぎりでも意識があるならいいや。仲間守れるって事だろ?」
グレン
「リスクもある」
優一郎
「いいよ」
これで今までやらなかった理由が分かった。
そのリスクはかなり大きいのだろう。
それでも優ちゃんは即答した。
グレン
「お前の心と身体への負担が…」
優一郎
「いい!グレンが必要だと思ってんだろ?」
グレン
「………」
笑顔で答える優ちゃんに一瀬 グレンも渋い顔をしている。
彼も優ちゃんの性格を知っているのならあっさり受け入れる事は分かっていたはずだ。