第20章 力の制御
あの部屋にまだ一瀬 グレンがいたのならアリスは何をしていたのか。
まさか優ちゃんだけじゃなく、アリスまで洗脳しようとしているのだろうか。
ミカ
「…それだけは絶対にさせない」
また3人で過ごす未来を作る為にもアリスを洗脳される事だけは避けなくてはいけない。
優ちゃんだけでも止められないのに、頭が切れるアリスがあっち側に行ったら僕はもうお手上げだ。
グレン
「………」
ミカ
「!」
そんな最悪な状況を想像していると、アリスがいた部屋から一瀬 グレンが出てきた。
彼は何かを考えている様子からか、離れた位置にいる僕に気づいていない。
優一郎
「グレン」
ミカ
「…っ!」
一瀬 グレンの行動を探るように見ていると、優ちゃんも近くの部屋から出てきた。
嫌な予感がして気づかれない様に身を潜める。
グレン
「誰か起きたか?」
優一郎
「いいや」
グレン
「…結構強く殴ったからな」
優一郎
「ふーん」
話しながら歩きだした2人はアリスと同じ方向へ向かって行く。
つまり僕がいる場所から遠ざかっているので話を聞くにはちょうどいい。
優一郎
「気絶させたのは蘇生の件がバレたら消滅するからか?」
ミカ
「!」
そんな時、優ちゃんは彼が敢えて話さなかった理由をあっさり聞いた。