第20章 力の制御
グレン
「だが、優と吸血鬼には付き合ってもらう」
疑いながら聞くと返ってきた答えにはやはりと言うべきだろうか。
やりたくなくてもお兄ちゃんの指令なら大人しく言う通りにするつもりだったが、これで全員参加になった。
「じゃあ去る人はいないでしょ」
グレン
「何故そう思う?」
「私とお兄ちゃんは別だけど人間達はあなたに着いて行くしか生きる方法がないから」
シノア
「…確かにその通りです」
誰も去らないと分かっていてこういう言い方をした彼が気に食わない。
私と相性が悪く、頭が切れて腹の底が読めないグレンはフェリドに似ている気がする。
優一郎
「そもそもアリスとクローリーは戦力になるからだろうけどなんで俺も?」
グレン
「お前はこの全蘇生をする為のキーだ。俺にはお前が必要だ」
優一郎
「………」
優ちゃんの持つあの化け物の様な力がないと全蘇生は不可能。
つまり彼は全蘇生をする為に4年前のあの日、フェリドが逃がした優ちゃんを日本帝鬼軍へと連れて行ったのだ。
優一郎
「しょーがねーなー」
ミカ
「優ちゃん!?まさか受け入れないよね?あいつは君を利用しようと…」
人間は承認欲求の塊だ。
必要にされて悪い気がしない気持ちは分かる。
でもこのタイミングでそこまで喜べる優ちゃんはやはり変わっている。
クローリー
「単純で扱い易い子だな…」