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罪と罰【終わりのセラフ】

第20章 力の制御




退屈そうにこの話を聞いていたお兄ちゃんでも呆れてしまっていた。


優一郎
「でもグレンが困ってるんだ」

ミカ
「行ったら絶対に殺されるよ!!」

優一郎
「逆だよ、グレンは全員生き返らせるって言ってるんだ」


収まったはずの言い合いが再び始まってしまう。
昔からの家族しか信じれないミカと、グレンを含めた自分の家族を守りたい優ちゃん。

その意思が強ければ強い程この言い合いは続くだろう。
そして最終的にはミカが折れるのだ。


ミカ
「嘘かもしれない」

優一郎
「嘘なのか?グレン」


本人に聞いたところで嘘という訳がない。
それでもグレンの事を信じる優ちゃんは本人に質問をする。


グレン
「こんな誰も信じない様な与太話の上に更に嘘をついてどうする」

優一郎
「だってさ」

ミカ
「ほんとダメだって!」


もちろんミカもここで引く訳にはいかない。
何とかして止めようと言い返す。


優一郎
「じゃあ茜はどうする?子供達は?」

ミカ
「…っ」


でも子供達の事を出されるとミカは黙り込んでしまった。

ミカにはもう子供達への執着はない。
それでも薄らと残る人間だった頃の感情、そして自分のせいで殺してしまったという罪悪感を抱えたミカには充分効果があった。


優一郎
「俺は生き返らせたいしお前達も人間に戻したい。君月の妹も救って、鳴海の家族も…」
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