第20章 力の制御
それを聞いた優ちゃんは顔を曇らせた。
鳴海
「確かにそうですね…秀作達が死んだのも最近だ」
グレンの言う通りなら死因や時期が違う孤児院の子供達や鳴海の仲間は生き返らない。
鳴海
「中佐、私の家族は生き返らないのですか?」
グレン
「………」
その質問にグレンは考え込む仕草を見せた。
多分、本当の事を話す気はないはずだ。
それなら他に知っていそうな人に聞くしかない。
「じゃあ時期が違う場合は死体が必要?」
クローリー
「さあ?本当に僕は何も知らないんだよ」
グレン以外で知っていそうなのはお兄ちゃん。
でも本当に何も知らないらしい。
よく知らないまま協力しているなんておかしな事だが知らないものは知らないのだろう。
与一
「ちょっと待ってください!じゃあこの8年の間に死んだ人はここに死体がないと蘇生しないって事ですか…?」
そんな私達の会話を聞いて今まで黙っていた与一が焦った様子で声を上げた。
彼は生き返らせたい人がここはいないのだろう。
与一
「僕の姉も吸血鬼に殺されて埋めたから多分死体が残って無いんですが…」
「いいや、ちゃんと残っている死体はここにあるのだけ」
与一
「そ、そうだよね…」
ここにある死体は全て腐らないように保管されている。
持ち出した茜の首もそうなっているのだ。
そんな死体が他にたくさんある訳がない。