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罪と罰【終わりのセラフ】

第7章 地下都市からの脱出




*****


優一郎
「!」


微かに扉が開いた音が聞こえる。
ミカだ。

もう外は真っ暗で、チビ共が寝静まった頃にようやく帰ってきた。
ミカはいつもこんなに遅くまで吸血鬼の相手してた。
そう思うと今まで気づいてやれなかった事がとても悔しかった。


ミカ
「帰ったよ、優ちゃん」


俺が起きている事に気づいたのか、声をかけてきた。
目を開けて様子を見ると、ミカの首元に少量の血が流れている。
その痛々しさに思わず目を背け、寝返りをうち逆方向を向いた。


ミカ
「お帰りは言ってくれないの?」

優一郎
「……とりあえずお前の分のカレーは食った」

ミカ
「え、嘘!?」


食材の対価として何をされているのか、それを聞くために敢えてカレーの話題を出す。
もちろんそんな事はしていない。
でも、そんな冗談でも言わなければ自然とカレーの事を話せそうになかった。


優一郎
「嘘だよ。カレー、みんな喜んでたし美味かった」

ミカ
「それはよかった」

優一郎
「で、そのカレーの為にお前は何された?」

ミカ
「……」


聞きたかった質問をすると、ミカは苦笑を浮かべて黙ってしまった。
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