第7章 地下都市からの脱出
(優side)
アリス達の話す内容を聞き、考え込んでいた。
血を提供すると彼は何でも買ってくれる。
美味しいものも食べられるし、生きていくには要領よく頭使っていかないとねと言ったミカ。
その言葉を聞けば、いくら鈍い俺でもこの食材こそがミカが犠牲になって得た物だとわかる。
優一郎
「俺、殴っちゃったじゃねぇか…」
あの時殴ってしまった右手。
それを見ると殴った時の感触が蘇ってくるようで、俺はただ後悔していた。
*****
「優ちゃん!ご飯できたよー」
誰とも話せずに、罪悪感で頭がいっぱいのままボーッとしているとご飯ができた。
目の前にあるカレーを見るとお腹が鳴る。
前に食べたのがいつかも覚えていない程久しぶりのカレーだ。
ミカへの罪悪感があってもお腹が空くのは仕方ない。
優一郎
「美味そうだな」
茜
「カレーなんて久しぶりだもんね」
アリスと茜が作ったカレーは凄く美味かった。
チビ共も久しぶりのカレーに大喜びで、あっという間に完食している。
でもご飯の時間になっても帰ってこなかったミカは、全員が食べ終わっても姿を表す事がなかった。