第19章 蘇生
シノア
「少なくとも私達は知りません。でも暮人兄さんでさえ必死に戦わなければならない様な相手、中佐は知っているのでは?」
グレン
「いや」
シノアが疑いの目を向けた事で視線が集まった。
グレンはすぐに否定をするが、シノアは納得しない。
シノア
「信用しませんよ」
グレン
「本当に知らない」
でもこれが本当ならおかしい事がでてくる。
正体については検討もついていないのにどうしてグレンは黒幕がいると知っているのか。
彼は絶対に何かを隠している。
だが鳴海達はグレンが黒幕を知らないという事を信じたようだ。
鳴海
「なら中佐は何をやってるんですか?黒幕も知らずに世界を滅亡させた挙句、フェリド・バートリーと組んであなたは何を頑張っているのか?」
ミカ
「…聞くべきじゃない」
鳴海
「ここまで来てそれを答えないでは済ませませんよ。仲間を殺してまで達成したいあなたの大義はなんだ?」
ミカ
「…聞くべきじゃないのに」
この流れ、何かおかしい。
グレンはいきなりここに来たはずなのに、彼の話は全てスムーズに消化されていくのは何故だろうか。
そして今から話すであろう彼の目的。
それを聞いてしまうのはミカ同様、私も嫌な予感がした。
優一郎
「教えてくれグレン。俺達は家族だろ?お前はいったい何をやってる?」
グレン
「………」