第19章 蘇生
グレンは優ちゃんに言われてあくまでも仕方なくといった様子で重い口を開いた。
グレン
「人類の全蘇生だ」
渋々言わされたはずのグレン。
だが彼からはそんな様子が感じられず、元から話すつもりだった様に見えた。
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(グレンside)
8年前のクリスマスに俺は罪を犯した。
グレン
「深夜!!深夜!!」
膝を付いている床は仲間達の血で染まっている。
俺の腕の中にいる深夜も既に息はない。
グレン
「うあああああ!!」
いつだって家族を取り戻すためなら人間は簡単に罪を犯す。
蘇生する為の代償は世界中の人間の命。
それだけしても蘇生した命は10年しか保たない。
グレン
「たった10年。それでも家族が、仲間が笑顔を見せてくれるなら…」
小百合、時雨、美十、五士、深夜。
彼らと過ごした騒がしくも充実した日々を思い出す。
従者として支えてくれた小百合と時雨。
高校時代に命を救った美十と五士。
高校から今まで色んな死地をくぐり抜けてきた相棒の様な存在である深夜。
グレン
「俺は罪を背負おう」
世界中の人間を殺す事になっても、俺は家族を生き返らせる事を選んだ。
その結果大半の人間が死に、アリスとミカは吸血鬼化する事態になってしまった。
罪悪感がない訳がない。
だからこそ俺は贖罪としてこの計画をやり遂げなくてはいけないのだ。