第19章 蘇生
優一郎
「これ、どうなってるんだよ!」
グレン
「…やめろ」
「…!」
私がその状態になってようやく静止したグレン。
彼の一言で嘘の様に体が軽くなる。
ただ力が抜けてしまい膝から崩れ落ちた。
優一郎
「大丈夫か?」
「…大丈夫。離して」
優一郎
「え、ああ…」
それを見て心配してくれる優ちゃん。
でも私はそんな優ちゃんを受け入れられなかった。
ミカが判断した通り一瀬 グレンは恐ろしい人間だ。
先程の家族という発言に失望したのもあるが、彼の恐ろしさを理解していながら仲間だという優ちゃんが信じられない。
クローリー
「立てる?」
「…うん」
その代わりにお兄ちゃんが私を支えに来てくれた。
素直に手を借りてなんとか立ち上がる。
優一郎
「………」
その光景を優ちゃんは複雑そうに見ていた。
クローリー
「何をした?」
グレン
「俺は何もしていない」
クローリー
「へぇ…」
ぐったりとした私を横目に問い詰めるが、グレンは関与していないと言う。
でもあの時彼が静止の言葉を発すると解放されたのは紛れもない事実だ。
「…あなたが1番信用できない」
グレン
「フェリドよりか?」
「フェリドの方がマシ」
グレン
「それは残念だ」
全くそんな事思っていなさそうだが、これ以上の彼との会話は無駄。
グレンを警戒しながら距離をとる。