第19章 蘇生
そんな吸血鬼の相手がこの時間できているだけでも凄い。
優一郎
「だめだミカ!!」
誰もが遠目で見るだけだった中、優ちゃんは2人の戦いに割り込んだ。
ミカの腕を掴んで何とか止めようとしている。
ミカ
「放せ!!」
折角のチャンスを邪魔されたミカは珍しく声を荒らげ、手を振り払おうとした。
優一郎
「放さない!」
ミカ
「なんでこいつを庇うんだ!」
優一郎
「仲間だからだ!!」
それでも手を離そうとしない優ちゃんはグレンの事を仲間だと力強く言う。
その発言にミカは顔を歪めて歯を食いしばった。
ミカ
「…っ!」
この優ちゃんの発言で覚悟を決めたのだろう。
ミカは腕を掴む手を怪我しない程度に斬りつけた。
優一郎
「あ…」
ミカ
「ごめん。でも恨まれても僕は君を…」
まさか斬られるとは思っていなかった優ちゃんは呆気に取られる。
その隙にミカはまたグレンへと斬りかかった。
グレン
「…真昼、力を」
「!」
その瞬間に異変が起きたのを感じ取る。
あの嫌な気配がグレンを包み込み、彼の顔には痣が刻まれていった。
この嫌な気配が彼女の正体なのかもしれない。
そう思った私は2人の間に割り込む。
ミカ
「剣よ、僕の血を…」
「待って」
ミカ
「なんで…」
更に本気を出そうとしたミカを止めると、私が止めるとは思わなかったのだろう。