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罪と罰【終わりのセラフ】

第19章 蘇生




油断している今なら殺せるだろう。
でも彼を殺したら優ちゃんに恨まれる。

それでも決断が遅ければ優ちゃんは8年前の一瀬 グレンになってしまう。
ここで優ちゃんを守らなくては僕がここにいる意味はないのではないか。


グレン
「…殺したい気持ちは分かる」

ミカ
「………」


視線を感じたのだろう。
グレンは優ちゃんとの話をやめて僕へと声をかけてきた。

それに対して否定しない僕を見て、優ちゃんは庇う様にグレンの前へと出る。


優一郎
「ちょっと待てよ。グレンにはグレンの事情が…」

ミカ
「…ごめん、優ちゃん」


少し前に出てくれた事でグレンを狙っても優ちゃんには当たらない。
優ちゃんの横を走り抜けながら謝ると、僕は剣を構えてグレンへと突っ込んだ。



*****



(アリスside)


ミカがグレンに斬りかかった事により、室内の狭い空間にも関わらず激しい戦闘が始まった。


グレン
「悪いが殺されてやれない」

ミカ
「ダメだ、お前はここで死ね」

グレン
「ぐっ」


ミカはグレンを本気で殺そうとしている。
容赦のない斬撃を遠巻きに見ながら私はグレンに感心した。


「グレンってやっぱり強いね」

クローリー
「ああ、少しミカに押されてるけど人間にしては強い方だ」


どうしても人間のグレンが少しずつ押されていくがミカはかなり強い吸血鬼だ。
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