第19章 蘇生
だが、これをここで知ったのは私だけではなかった。
三葉
「…生まれつきってなんだそれ」
シノア
「あ…」
全員の視線が集まり、シノアは俯いてしまう。
グレン
「とにかく柊は何かに選ばれ、それぞれがそれぞれに抗う」
そんな空気を変えたのはグレン。
気まずくなる原因を作った張本人ではあるが、空気を読んで瞬時に話を変えた。
グレン
「暮人も今、必死に戦っている」
シノア
「…いったい何とですか?」
柊 暮人は戦っている。
グレン
「目の前の絶望と…」
その相手ははっきりとは教えてくれなかった。
*****
(ミカside)
優一郎
「グレン!」
話が一段落したところで、優ちゃんはあいつの名を呼び駆け寄った。
話している様子を見ると凄く楽しそうだ。
優ちゃんはあいつにされた事を忘れたのだろうか。
ミカ
「…くそっ」
そして、一瀬グレンが来た事によって状況が更に悪くなった事を痛感した。
死者の蘇生に世界の滅亡、アリスの異変など情報量が多くてパンクしそうになる。
グレン
「鬼は落ち着いているか?」
優一郎
「ああ、フェリドに薬打たれてからは大丈夫だ」
でも1番厄介なのは一瀬 グレンがここに来てしまった事だ。
奴は今、優ちゃんと話していてこちらに背中を向けている。
ミカ
「………」