第7章 地下都市からの脱出
やはりまだ帰っていないようだ。
多分帰ってくるのは夜くらいになるだろう。
それならご飯を作って、みんなには先に食べてもらっていた方がいいのかもしれない。
そんな事を考えながら茜が用意していた食材を見ると何故かたくさんの野菜があった。
「え?それどうしたの?」
茜
「なんかミカがね、裏のルートで見つけてきてくれて…」
「裏のルート?」
茜
「詳しい事は教えてもらえなかったけどね…でもこんなご馳走久しぶりだから頑張ってカレー作るね!」
「あっ、私も手伝うよ!」
手伝おうとした時、固まっている優ちゃんが目に入る。
優ちゃんはうつむいて目を見開いていた。
もしかしたらこの話が聞こえたのかもしれない。
裏のルートとは十中八九フェリドへの血の提供の事だろう。
聞こえていたのだとしたら、優ちゃんもこの事に気づいたのだと思う。
複雑そうな顔をしている優ちゃんが気になったが、茜1人に作らせるのも悪い。
今はその事を考えないようにしてカレー作りに取り掛かることにした。