第19章 蘇生
シノア
「きっと柊は何か色々悪い事をしてるんでしょう」
シノアはグレンに答えたのだろうが、まるで私の心の声に答えたかの様だった。
柊の人間でもそう思うという事はあながち間違いというわけでも無いのだろう。
グレン
「よお、柊の女」
シノア
「中佐、お久しぶりです。あんな別れ方したわりにはずいぶんと偉そうなご登場ですねぇ」
グレン
「…お前もな」
双方のトゲのある言い方に場の空気は更に悪くなり、緊張が走る。
そんな中、黙って話を聞いていた私に疑問がでた。
「あんな別れ方って?」
クローリー
「さあ?」
お兄ちゃんに聞くが、知らないらしい。
君月
「時間があれば後で説明するから待っていてくれ…」
空気を読まない私達に少しだけ空気が軽くなった気がする。
シノア
「で、ちゃんと説明してくれるんですか?」
でもシノアの空気だけは変わらない。
シノア
「暮人兄さんとあんなに仲良く仲間を殺した理由を教えてください」
グレン
「…結局、暮人も真昼と同じだったんだ」
言い聞かせる様な言葉の中に私が最も興味を示す名前が出た。
「…真昼」
ここで名前が出るとは思っていなかったが、この話にも関わってくる真昼とは一体何者なのか。
今分かっているのは、昔私と会っている事と柊の人間だったという事だけだ。
シノア
「姉さん?」