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罪と罰【終わりのセラフ】

第19章 蘇生




グレンの声とその真剣さから柊は黒幕ではないと確実に断定している様に聞こえた。


グレン
「柊も日本帝鬼軍も誰かに利用される為に作られた駒だった」

三葉
「柊や日本帝鬼軍も駒…ですか?」


言った事を復唱した三葉にグレンは視線を向ける。


グレン
「ああ」

三葉
「…でもそんな事とても信じられないのですが」


この信じ難い話。
これに1番動揺したのは柊の名を持つシノアでは無く、三葉だったらしい。


三葉
「だって柊家は数百年前からこの日本に君臨してる呪術組織で…三宮家ももう何百年も柊に仕えていて…」

グレン
「そうだな」


動揺する三葉の言う事を穏やかな表情と声色でちゃんと聞く辺り、グレンはやはり上司だったのだろう。
でもこの話を聞いていた私の感情は穏やかさとは程遠かった。


「………」


ただでさえ時間が無いのだ。
こんな話を続けるくらいならキ・ルクとの戦闘の作戦でも考えた方がいいのでは無いかと言いたくなるが、大人しく我慢した。


グレン
「だが何故柊はそれ程までに強くなった?何故何百年もこれほどの権勢が続く?」

三葉
「…!」

グレン
「異常だろ、世界が終わってさえ奴らは日本の頂点に立っている」


グレンの言い方は、世界が終わる事を柊家とその黒幕は知っていたという風に取れる。
知っていたのなら何故彼らは世界中の人間を見捨てたのか。
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