第19章 蘇生
優一郎/ミカ
「!」
屋敷の外から大きな力の気配。
それに反応したのは吸血鬼と鬼と混じっている優ちゃんだけで、他の人間は固まる私達を見て驚いている。
優一郎
「誰かいる」
シノア
「助っ人がもう来たんですか?」
クローリー
「…さあ?フェリドくんのやる事だからなぁ」
お兄ちゃんは分からないと言うが、恐らくその助っ人だろう。
フェリドが拷問にかけられている今フェリドの屋敷に用があるのはその人以外にいない。
「迎えに行く?ここで待つ?」
クローリー
「吸血鬼だと面倒だから念のためここで待つ」
その助っ人ならば人間だろうからここに入ってこれる。
万が一吸血鬼なら入ってこれないここで待つのが確かに妥当だ。
そんな事を話していると、ここへと続く階段を降りてくる音が聞こえてきた。
優一郎
「降りてくる。敵じゃないのか?」
シノア
「本当に助っ人で合ってます?」
クローリー
「フェリドくんに聞いてよ…」
お兄ちゃんも何も知らないから2人の質問に面倒そうに答える。
それを聞いた鳴海は背負っている鬼呪装備を構えた。
鳴海
「全員鬼呪を出せ!!」
その場の人間達に緊張が走る。
もちろん私とお兄ちゃんは武器を構えたりはせずに成り行きを見守るつもりだ。
グレン
「…よぉ」
与一/三葉
「え…」
優一郎
「ええぇぇぇ!?」