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罪と罰【終わりのセラフ】

第19章 蘇生




優一郎
「みんながいる…」


優ちゃんは子供達が入るカプセル1つ1つを触り、存在を確認している。
そんな優ちゃんの瞳からは大粒の涙が溢れていた。

ミカ
「…優ちゃん」


でも横に寄り添うミカの瞳に涙は見えない。


「…悲しいね」


吸血鬼だから感情が消えていて仕方ない。
だが、あれ程まで家族を大事にしていたミカが悲しめないのは本当に皮肉な事だ。


鳴海
「………」


これ以上その悲しい光景を見たくなくて少し先に進むと、鳴海がカプセルの前に佇んでいるのに気づいた。


鳴海
「秀作…必ず…」


彼が額を当てているカプセルにはどんな人が入っているのだろうか。
どんな存在でも彼にとって大切な人には変わりない。

これも大きな人質だ。


「………」


でも様子を見る限りここに人質がいるのは優ちゃんと鳴海だけのようだ。
他の人間はカプセルの中を覗いたりしているが、誰かを探している感じはない。


「…?」


お兄ちゃんの後を追うように奥へ進むと、無造作に本が置かれているテーブルを見つけた。


「…何これ」


数ページ見た所これは何かの研究資料だと分かるが、内容が難しく書かれていて理解できない。


「お兄…」

シノア
「お知り合いですか?」

クローリー
「…まあね」


お兄ちゃんに聞こうと思ったのだがタイミングが悪かった。
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