第7章 地下都市からの脱出
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「ただいまー」
男の子1
「優兄ちゃん!アリスちゃん!」
家に入ると子供達が待ち構えていたようで、私達の周りに集まってきた。
毎回家に帰る度に出迎えてくれる。
当たり前のようだけど私にとっては特別な事だった。
女の子1
「優ちゃーん!」
優一郎
「うわっ!お前らわらわら集まんなって、うぜーから」
「ふふっ」
優ちゃんはだるそうに言っているが、抱きついてきた男の子を受け止めてあげている。
それに1人1人の話をちゃんと聞いている。
相変わらず素直じゃない。
あんな風に言われてもこんなに懐いているのは、子供達が優ちゃんの内面をちゃんと見ているからなのだろう。
「あれ…?」
みんなの相手を優ちゃんに任せて奥へと入ると、ある事に気がつく。
私達は結構遅くに帰ってきたのに、まだミカはいない。
「茜」
茜
「ん?あ、おかえり〜」
「ただいま」
優ちゃんとミカを除いた年長者、同い年である茜を見つけて話しかけると少し驚かれた。
多分料理に集中していて私達が帰ってきた事に気づかなかったのだろう。
「ミカはまだ帰ってきてないの?」
茜
「えーっと…まだ帰ってきてないね」