第19章 蘇生
クローリー
「地下に死体がある」
そして淡々と衝撃的な事を告げた。
クローリー
「多分君達の大切な人間の死体だ」
優一郎/ミカ/鳴海
「…!」
大切な人間という言葉に反応したのは優ちゃんとミカ、そして鳴海。
優ちゃんとミカは孤児院の子達を思い浮かべたのだろうが、鳴海はどうなのか。
仲間に家族、この世界だと様々な可能性がある。
クローリー
「で、フェリドくんのやり口は…」
ミカ
「弄んだ挙句、絶望して泣きそうな顔を見て笑うんだろ?」
クローリー
「よくご存知で」
冷静さが消えて敵意を剥き出しにするミカ。
でもそうなるのも仕方ない。
ミカが言っているのは恐らく今でも鮮明に思い出せるあの家族を惨殺された日の事なのだ。
「…本当に悪趣味な吸血鬼」
シノア
「あはは…」
三葉
「凄い言われようだな…」
フェリドの事をよく知るミカと私の発言に苦笑する2人。
クローリー
「フェリドくんは僕らでもフォローしきれないくらい重症なんだよ」
でもお兄ちゃんでもこればかりはフォローの仕様が無い。
クローリー
「それでここで心配なのは、もし地下に酷い光景が広がっていた場合だ」
鳴海
「優が暴走する…か?」
クローリー
「そう」
ここでまた私が知らない事が出た。
そろそろ私にももう少し情報を共有すべきだ。
「優ちゃんの暴走って何?」