• テキストサイズ

罪と罰【終わりのセラフ】

第19章 蘇生




*****



(アリスside)


「…疲れた」


浴室から戻ってきて1番の感想はこれだった。
リラックスする為に入浴する事はあったが、逆に疲れてしまったのは初めての事だ。


シノア
「さ、流石君月さん…!」

三葉
「悔しいが美味そうだな…」


テーブルに広げられたたくさんの料理。
それを見た彼女達は散々風呂場ではしゃいたのにも関わらず、今度は料理を見て歓声を上げている。

どこにそんな体力が残っているのだろうか。


クローリー
「アリス」


不思議に思っていると、お兄ちゃんが小さな声で私を呼んだ。


「ん?」

クローリー
「少し行ってくる」

「…了解」


どこへ行くのかは気になるし、一緒に行きたい。
でも何も聞かずに見送った。
お兄ちゃんは私が戻って来るのを待っていたのだ。
つまり私はここで彼らを見ている必要がある。

その間に人間達は席に着き、食べる準備をしていた。
ミカも血が入ったグラスが置いてある席に座っている。


優一郎
「アリスはどうする?」

「私の事は気にしないで」


私はお兄ちゃん以外の血をこれ以上飲むつもりは無い。
優ちゃんに答えた後、私は窓の傍の壁にもたれた。


「………」


バタバタしていて状況が分からない今、ようやく見れた外の様子。
一見いつも通りに見えるが、吸血鬼の気配を全く感じない。
/ 646ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp