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罪と罰【終わりのセラフ】

第19章 蘇生




「あ」

シノア
「?」


それを見て聞かなくてはいけない事を思い出した。
与一が抱えていたケースから一瞬だけ見えた見覚えのある髪の毛。
あの髪色は私の記憶が確かなら彼女で間違いないはずだが、確認する必要がある。


「あの時話してた家族の首って何?」

シノア
「………」

三葉
「!」


シノアは笑顔を保ったままで、三葉は表情を強ばらせて動揺したのが分かった。
つまりあの首は私も知っている人だという事になる。


シノア
「…ミカさんが落ち着いていたので大丈夫だと思いますが」


シノアは前置きして慎重に話し出す。


シノア
「あのガラスケースはフェリド・バートリーが持ってきた物です。そして中には女の子の首が入っていました」

「…茜?」

シノア
「はい…」


予想が当たっていた。
これを聞く前から分かっていたのでショックは少ない。


「………」

三葉
「…あれを見たあたし達でも嫌な気持ちになったんだ。お前にとっては家族の首だから辛いんじゃないのか?」


黙ってしまった私に三葉はそっと声をかけてくれた。
でもその認識は違っている。


「もちろん悲しくない事はない。でもそれは違う」

三葉
「それって?」

「私は家族じゃない」

三葉
「…え?」


ピシャリと否定をすると三葉は戸惑いを見せた。
優ちゃんから私も家族の一員だと説明されていたのだろう。
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