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罪と罰【終わりのセラフ】

第19章 蘇生




2人が話している所を見たのは今日が初めてだからミカがどう思っているのか分からない。
だが、お兄ちゃんは基本他人はどうでもいいと思っているはずだ。


シノア
「なるほど…」


自分の考えが合っていたのか、シノアの笑みが一層濃くなる。
そんなシノアの反応を見ても私には質問の意図が分からなかった。


「どうしてそんな質問を?」

シノア
「あのですね、クローリーさん最初はミカさんに友好的な態度を取っていたんです」

「お兄ちゃんは猫被ってるから…」


それにフェリドのお気に入りであるミカに敵対する理由がない。


シノア
「ですが、先程のクローリーさんは違いました」

「ああ…」


それだけで何の事かすぐに分かった。
確かにあの時のお兄ちゃんは様子が明らかにおかしい。


「その理由が分かるの?」

シノア
「はい、恐らくですが」


私でもあの態度の理由が分からないのにシノアは分かると言う。


シノア
「クローリーさんの様子がおかしかったのはアリスさんとミカさんの会話を遮った時でした」

三葉
「…豹変したよな」


その時の事を思い出したのか、三葉の顔が青くなった。
お兄ちゃんの表の顔しか知らない彼女達にはあの豹変は恐怖でしかないだろう。


シノア
「そしてクローリーさんが豹変してとった行動は、ミカさんが言ったアリスさんを守るという言葉の否定です」
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