第19章 蘇生
服を着直して立ち去ろうとする私の行動を止めたのはシノアだった。
扉と私の間に入ったのでここから出られない。
「はぁ…」
仕方ないので三葉へと視線を戻す。
三葉
「…っ」
「………」
私と目が合うと息を飲んだ三葉。
その表情は強ばっている様に見えた。
シノア
「私達はもう仲間なんだし謝りましょう?」
三葉
「………」
シノア
「ほら、みっちゃん」
シノアの言葉に背中を押され、三葉は私の前で立ち止まる。
三葉
「今のはあたしが悪かったからその…」
「…?」
三葉
「…ごめん」
何を言いたかったのか分からず首を傾げる私に三葉は謝罪をした。
シノア
「………」
その不慣れな謝罪を聞いたシノアは満足そうな笑みを浮かべている。
そしてこちらを見てくるので私の返事を待っているのだろう。
「…別に気にしてない」
三葉
「………」
だけど私が言えるのはそんな素っ気ない返しだけだ。
それでも三葉は安心した表情を浮かべる。
シノア
「では、改めて準備しましょうか」
そこまで見届けたシノアは脱いだ服を畳み、戸棚へと仕舞い始めた。
準備を始めた三葉の横に行き、服を脱ぎながら初めて私から声をかける。
「フェリドが拷問受けてるんでしょ?」
三葉
「ああ…」
答えたのは三葉だが、シノアもこちらを見ている。
「どんな拷問だった?」