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罪と罰【終わりのセラフ】

第19章 蘇生




「私もお兄ちゃんもフェリドが何をしたいのか知らないから」


誰も理解出来ないフェリドの思考。
ここに日本帝鬼軍の軍服があるから軍の誰かと手を組んでいるのだろうが、それ以外は何も分からない。


三葉
「理由も分からないのに…」

シノア
「みっちゃん?」

三葉
「吸血鬼は自分が何の為にしているのかも知らないで大勢の人を殺しているのか!?」


私の言葉が気に障ったらしい。
声を荒らげた三葉と私の間に慌ててシノアが入った。


シノア
「みっちゃん!」

三葉
「でも、そんな覚悟も目的もない奴らに私達の仲間は殺されたんだぞ…!!」

「………」


シノアの静止を振り切り、吸血鬼への怒りを爆発させる三葉。
面倒だがここで仲間割れの様になっては後で困る。


「吸血鬼を人間の価値観に当てはめないで」

三葉
「!」


だから言い返さないのが正解なのだが、これだけは言わずにはいられなかった。

私は好きで吸血鬼になった訳じゃない。
できる事なら彼女達の様に人間の価値観のまま生きていたかった。
でもそれはもう不可能な事だ。


「これが吸血鬼として生きていくには正しい事なの」

三葉
「…!」


辺りを静寂が包む。
これ以上ここにいてもこの重い空気は変わらないし、何よりこんな事の後に仲良くお風呂に入れるわけがない。


シノア
「今のはみっちゃんが悪いですね〜」
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