第19章 蘇生
シノア
「おお…潔いですね!」
三葉
「何でそんなに即決出来るんだ…!?」
「何でって…」
拍手を送るシノアには触れず、服を脱ぎながら風呂場の扉を閉める。
「ここであなた達とお風呂に入る事は決まってたみたいだから」
シノア
「あはは、やっぱり気づいてましたか」
三葉
「…?」
私の言葉にシノアが笑った。
やはりシノアも気づいているようだ。
シノア
「風呂が沸いていて、食料も用意されていた。おかしくないですか?」
三葉
「…!」
シノア
「まるで全部お見通しの様に用意されてますねぇ…」
そこまで言われて三葉はこれだけ準備されている事の異常さに気づいた。
でもおかしいのはそれだけではない。
シノア
「それにみっちゃん、気づいてました?」
三葉
「何をだ?」
シノア
「あれです」
彼女が指差した方にあるのは女物の服。
それもただの服ではなく、日本帝鬼軍の軍服だ。
三葉
「な…んで…」
ここにあるはずがない服を見て顔が青くなっていく。
シノア
「つまりフェリドは帝鬼軍と繋がりがある。この推理でどうでしょう?」
「悪くは無いと思う」
シノア
「答えは教えてくれないんですか〜?」
シノアは私から情報収集をしたいのだろう。
「無理だよ」
シノア
「ダメですか…」
残念そうだがこればかりは本当に不可能なのだ。