第19章 蘇生
シノア
「はい、鳴海さんは鳴海隊の隊長です」
「隊長…」
鳴海
「………」
私の呟きを聞くと鳴海は苦しそうな顔で俯く。
不思議には思うが、ここに鳴海しかいない事から隊員は死んだか対立したかのどちらかだろう。
深く関わる気がないのでこの事の質問は敢えてしない。
「名前は?」
鳴海
「…鳴海 真琴(なるみ まこと)、19歳でこの中では最年長だ」
先程までの元気がなくなっているが仕方ない。
それにこの人数を1度に紹介されたので覚えれたかが心配だ。
「私も言うべき?」
優一郎
「お前の事は俺が話してるから大丈夫だ」
優ちゃんがどんな説明をしているのか不安ではあるが、名前以外に話す事もないので良かった。
君月
「もう作り始めていいか?」
与一
「そうだね」
話が終わった事を確認してから調理に移る。
食材を見ながら何を作るか話し出した男性陣。
シノア
「では私達女子が腕を振るいま…」
君月
「お前らはどっか行ってろ」
君月はそれに続くように、腕を捲ったシノアを間髪入れずに静止した。
三葉
「だそうだ」
シノア
「やっぱりダメですか」
止められて少し落ち込んでいるシノア。
どうやら女子2人は料理ができないみたいだ。
シノア
「アリスさん」
「?」
先程まで落ち込んでいたシノアだが、もう復活したらしい。