第7章 地下都市からの脱出
申し訳なさそうに言う優ちゃんに私は笑顔を見せる。
「いいんじゃないかな」
優一郎
「え?」
その私の返事が想定外だったのか、うつむいていた顔をあげた。
そして私の顔を不安げな瞳で見つめてくる。
「優ちゃんがみんなの事を本当に大切で、なくてはならない存在だって思った時に自然と家族って言えるんじゃないかな」
優一郎
「でもさ、ちゃんとあいつらの事を大切に思ってるんだけどな…」
どうやら優ちゃんは納得いってないようだ。
「あのね、優ちゃん」
優一郎
「ん?」
「大切な存在って、いなくなってみないとその人がどれだけ自分に必要だったのかって分からないんだよ」
優一郎
「……なんだそれ」
先程の言葉も今の言葉も誰かの受け売り。
誰が言っていたのかは全く覚えていない。
けれど、何故かずっと頭に残っているから優ちゃんに教えてあげたかったのだ。
「まあ、優ちゃんには難しいかな」
優一郎
「はぁ!?そういうお前は意味分かって言ってるのかよ!」
「……えへへ」
優一郎
「おい!分かってねーのかよ!」