第7章 地下都市からの脱出
(アリスside)
ミカ
「僕は行く所があるから、アリスは優ちゃんを探して先に帰ってて」
ここで行かなきゃ行けない所なんて血を取られる以外にはないはずだ。
もしかしたらフェリドという吸血鬼の所へ行くのかもしれない、そう思ったから何も聞かずに別れる。
「優ちゃんは多分、家に帰ってないよね」
家以外で優ちゃんが行きそうな場所を考える。
少し考えてみて思いついた場所、そこに私は向かう事にした。
*****
「やっぱりここにいた!」
優一郎
「っ!?お前か…ビックリした」
突然声をかけたせいか、驚かれてしまった。
でも気にせずに近づく。
「ここにいてくれて良かった〜」
優一郎
「茜といいお前といい、俺がいる場所ってそんなに分かりやすいのかよ…」
苦笑する優ちゃん。
先程まではあんなにも怒っていたのに、今はどこか悲しそうだった。
「……なにかあったの?」
優一郎
「……」
そう聞くと言いづらそうに俯き、黙り込む。
優ちゃんの目の前へと行き、顔を覗き込むと目が合った。
優一郎
「アリスも…」
「ん?」
優一郎
「俺やミカの事…家族だって言うのか?」
「…家族?」
いきなりの質問。
その内容から何となく察する事が出来た。
多分茜に言われたのだろう。
優一郎
「ああ、俺はそうは思えないんだ」