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罪と罰【終わりのセラフ】

第18章 執着




話せない事があっても普通だろう。


「怒っているわけじゃない。彼を心配しているだけ」

鳴海
「心配だと…?」


鳴海を見ながら言うと、彼は意味が分からないと言いたげな顔をした。


「彼は今から私達吸血鬼と一緒に戦わなければならない。なのに仲間になれないと言った」

鳴海
「それはこれから話す内容の前置きで…」

「私がルカル・ウェスカーの様にプライドが高かったらどうなるか分からない?」


間違いなく逆鱗に触れて、説明する事も許されずに殺されてしまうだろう。
あのキ・ルクと戦うのに目先の事にしか目が向かないのは大変だ。


鳴海
「………」

「もう死んでるよ」


この人間は賢いのだろうがプライドが高く、場の空気を乱しやすい。
心理戦に長けた吸血鬼なら彼を利用する事も読めた。


「ここにいる人間の中で吸血鬼が扱い易いのはあなたなのを自覚して」

鳴海
「…分かった」


言った所でどうしようもないが、一応釘を指して屋敷に戻ろうと歩き始める。
だが君月に腕を掴まれて止められた。


君月
「お前が良ければだが、今からの話を一緒に聞いてくれないか?」

「どうして?」

君月
「俺達よりお前の方が吸血鬼について分かっているだろ?」

「………」


彼は私に対して恐怖を抱いていないのか。
疑問が残るが、日本帝鬼軍がどれだけ情報を掴んでいるのか気になり了承した。
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