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罪と罰【終わりのセラフ】

第18章 執着




クローリー
「だから僕には七位か八位くらいの強さがある。これはアドバンテージだよ」

シノア
「アドバンテージ…?」

クローリー
「僕を知ってる上位始祖は僕を十三位だと思うから一瞬だけ侮るんだ」


だからお兄ちゃんと私は相手が油断している間に素早く致命傷を与える。
でないと本気を出された場合に実力が勝っていてもかなり激しい戦闘になり、下手をすると負けてしまうからだ。


ミカ
「その強さと地位の詐称は一体いつからしてきた?」


少し低い、怒りを含んだ声。
これは上位始祖達への最大の裏切りなのだから仕方ない。


クローリー
「吸血鬼にされた最初からだから800年前からかな?」

優一郎
「おい!吸血鬼にされたって言ってるぞ!!」

君月
「だから何だよ」


質問に答えたお兄ちゃんに割り込んだ優ちゃんは1人だけ違うところに着目していた。


優一郎
「元人間なら仲間じゃねぇか!!」

君月
「…どういう脳の構造だよ、お前は」

ミカ
「………」


興奮した様子で訴えるが、優ちゃんの理解し難い理論に君月は呆れている。
ミカはそれを一瞥してお兄ちゃんへと視線を戻した。


ミカ
「800年間、ずっと今日の様な日を待ってたって事か?」

クローリー
「いや、僕は何も考えてなかったけど」

ミカ
「だがフェリドは計画してた」
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