第18章 執着
その時のお兄ちゃんは本気ではなく遊んでいた。
そんな圧倒的な強さを見せつけられて放心状態の人間達。
鳴海
「…お前は十三位という情報だった」
クローリー
「そうだね」
鳴海
「そしてさっきの奴は十位だと言った、なのに何故お前が勝つ?」
クローリー
「ああ…」
色々あったから流れていたが、フオラを倒した実力を見て違和感を感じるのは当然の事だろう。
答えるのか顔を見ると、お兄ちゃんは笑って鳴海を見た。
クローリー
「表向きには十三位ってなってるけど実力的には七位なんだ」
鳴海
「な…!」
シノア
「…どういう事ですか?」
質問した鳴海は驚愕の表情で固まってしまう。
それを引き継ぐように言ったシノアの質問に、お兄ちゃんは彼女へと視線を移した。
クローリー
「まずなんで僕が十三位なのかは、七位のフェリドくんに血を与えられたら十三位とか十四位くらいの強さと地位になるからなんだ」
三葉
「それは情報通りだな」
人間達は記憶と照らし合わせているのか、腕を組み頷きながら話を聞いている。
クローリー
「でも実際にはフェリドくんに第二位の血を飲まされた」
「それ言っちゃうんだ」
クローリー
「多分いいと思うよ。それくらいフェリドくんの事だし予想してるだろ」
確かにそうだ。
今までもこれからも、フェリドの手の平で転がされる事は誰にも避けられない。