第6章 4年前
謎の男
「我々の指示に従いなさい」
それ以降はもう何も聞こえなくなった。
俺とミカエラは身動きが取れずに固まってしまう。
そんな俺達を我に返らせたのは院長先生の死。
男の子2
「ミカ兄ちゃん!院長先生が…!」
ミカ
「…っ!」
不安そうな子供の声を聞いたミカエラは早かった。
ミカ
「優ちゃんはみんなを見て!僕は院長先生を…!」
優一郎
「え!?お、おい…!」
突然の事に戸惑う。
だが、俺が戸惑っている間にも子供達はこちらへと集まってしまった。
優一郎
「ちょっ…」
女の子1
「…っ」
優一郎
「!」
どうすればいいのか分からずに子供達の顔を見ると、みんな泣きそうだという事に気づく。
そんな顔を見て俺がしっかりしなくてはいけないと思えた。
優一郎
「お、俺が守ってやっから…安心しろよ」
子供相手にどんな態度をとればいいのか分からない。
そのため少し困りながらも頭を撫でたり、背中をさすったりして落ち着かせようとした事を今でも覚えている。
それからここに来てから知ったが、あの時放送していた女はクルル・ツェペシという吸血鬼。
そしてその吸血鬼はこの地下都市サングィネムの女王らしい。
姿は見たことがないが自分達と同じくらいの女の子の姿だと聞いた。