第6章 4年前
車は壁に突っ込み、街のあちこちから炎が上がっている。
その光景を信じられない思いで見ていると、どこからか声が聞こえてきた。
優一郎
「何だ…?」
ミカ
「窓を開けよう」
微かに聞こえていた声、それを聞き取るために窓を開ける。
開けた瞬間、風と共に外の声が部屋へと届いた。
謎の少女
「警告します!愚かな人間共の手により、致死性のウイルスが蔓延しました!」
それは無邪気な少女のような声で、どこからか放送しているようだ。
謎の少女
「残念ながら人類は滅びます!!」
そう楽しそうに告げる声が響きわたる。
それ以外にも親を呼ぶ声や助けを求める声、泣き声など様々な子供達の声が街中から聞こえ始めていた。
ミカ
「どうしてこんなに子供の声が…」
謎の男
「ウイルスは13歳以下の人間には感染しないことがわかっています。よって我々、第三位始祖クルル・ツェペシ直下部隊はこれより子供達の保護を始めます」
そんなミカエラの問いに答えたのは外の放送から聞こえる男の声だった。