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罪と罰【終わりのセラフ】

第17章 地下都市の終焉




唐突な質問に呆気に取られた私は、警戒を忘れて自身の体を見る。
匂いそうな所といえば脇腹の傷。

彼の言う匂いが血の匂いなら彼は本当に吸血鬼だったのかもしれない。


斉藤(リーグ・スタフォード)
「まあいいか。今はそれよりも…」

「っ!?」


そんな事を考えていると、彼は前触れも無く私の胸ぐらを掴んで体を持ち上げる。


「っ…」


逃れようとするが、あまりの力の差に体が動かない。
ここで私は死んでしまうかもしれない。

死の恐怖で身を固めるが、彼はそれ以上は何もしなかった。


斉藤(リーグ・スタフォード)
「ただの吸血鬼なら放ってたんだが、君は僕の子供らしいからね」

「子供…?」

斉藤(リーグ・スタフォード)
「いつの間に娘が出来たのか知らないけど説明はいらないよ。早くしないとウルドに捕まる」


彼の言う娘とは私の事だろう。
つまりフェリドが私に飲ませた血は彼の物だったのか。

もしそうなら彼が私やお兄ちゃんの主になる。


斉藤(ウルド・ギールス)
「その血の匂いを漂わせてたら本気で探せばすぐ見つかるだろうけど」

「…な!!」


考え込んだ私へ一方的に言うと、彼は私を屋敷の2階の窓へ投げ飛ばした。


「うっ…!」


私の体は勢いよく窓を破り、床へと叩きつけられる。
鬼呪の毒が除去されているとはいえ普通の吸血鬼と違い傷が治りにくい体。


「………」
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