第17章 地下都市の終焉
冷ややかな笑みで言われたその言葉に人間達は凍りつく。
ウルド・ギールス
「おい」
それを見ていたウルド・ギールスは、初めてフェリドくんへと声をかけた。
ウルド・ギールス
「そいつらはなんだ」
フェリド
「最近お気に入りの子達です」
ウルド・ギールス
「直接人間から血を吸うのは禁じられているはずだが」
上位始祖の前で決まりを堂々と破るフェリドくんに感情の読めない声と表情で問う。
フェリド
「都市では、でしょう?」
決まりを破ると罰が待っている。
それを分かっていながらフェリドくんは動じる事なく答えた。
フェリド
「ですが都市は奪われました」
レスト・カー
「お前が無能だからだろう」
フェリド
「いやいや、裏切り女王のもとで僕は結構頑張りましたよ。ね?」
尋問を受けた後だというのにいつも通りの態度でレスト・カーと話すフェリドくん。
見ているこっちの方がヒヤヒヤしてしまう中、フェリドくんは僕へと話を振った。
クローリー
「………」
でも僕は何も答えない。
下手な事を言ってフェリドくんの計画を台無しにする訳にはいかない。
そう思い何も話さなかったが、心配は無用だった。
ウルド・ギールス
「………」
ウルド・ギールスはフェリドくんよりも他の何かを気にしている様に見えたからだ。
レスト・カー
「…どうかしましたか?」