第17章 地下都市の終焉
レスト・カー
「ちっ」
ウルド・ギールスに嗜められた事で、レスト・カーは納得していない様子のまま心臓を戻した。
心臓が戻り血が回ったフェリドくんの顔からは痣が薄くなっている。
フェリド
「………」
君月
「…え?」
そして間髪入れずに近くにいた君月へと襲いかかった。
驚く君月に構わず、フェリドくんは首に牙を立てる。
君月
「が…あ…」
優一郎
「お前…!?」
クローリー
「動くなって」
仲間が襲われている姿を見て声を張り上げた優の腕を掴み、動きを止めた。
何人か外に出たが、優以外は下手な行動をしないだろう。
クローリー
「行動を間違えると全滅するぞ」
優一郎
「………」
僕の言葉が間違っていないと分かっているのだろう。
何か言いたげだが、大人しくなった。
君月
「ぐ…あ…」
フェリド
「ふぅ…」
血を飲み終わったらしいフェリドくんは君月から手を離す。
かなり血を吸ったフェリドくんから痣は消えていた。
フェリド
「危ない危ない、つい殺しそうだったよ」
君月
「はっ…はっ…」
死ぬギリギリまで吸われてしまった君月の息は非常に荒い。
だが、フェリドくんは満足していなかった。
フェリド
「…まだ足りない」
そう呟いて辺りを見渡すと、君月を心配してバスから降りたシノア達を見つける。
フェリド
「誰が僕に血を吸われたい?」