第17章 地下都市の終焉
こうなる事はフェリドくんなら予想できていたはずだ。
それに今刃向かって優を殺されると、それこそフェリドくんの計画が台無しになる。
レスト・カー
「見なよ、フェリド・バートリー」
フェリド
「………」
レスト・カーがフェリドくんの眼前に差し出したのは心臓。
それをフェリドくんは生気のない目で見つめている。
レスト・カー
「お前の心臓だ。数分でお前は鬼になる」
心臓を取られると血はどんどん抜けてしまう。
このままでは危ないが、体が崩れ落ちそうになる姿を僕らはただ見ている事しかできない。
フェリド
「お戯れを…レスト・カー様、何故このような…」
レスト・カー
「真実を話せ、クルル・ツェペシはどこだ?」
フェリド
「私の屋敷、に…」
レスト・カー
「屋敷はどこだ」
フェリド
「この…近…」
とうとうフェリドくんが話せなくなった。
それでもレスト・カーは尋問を止める気はないらしい。
レスト・カー
「どうやってクルル・ツェペシ捕らえた。お前は所詮第七位、こんな鈍い動きで第三位始祖をどうにかできるはずがないだろう」
フェリド
「……」
その問いに答えは返ってこなかった。
フェリドくんの顔には痣が浮かび上がっている。
クローリー
「………」
あれはもう鬼になる寸前だ。
ウルド・ギールス
「心臓を戻せ、レスト・カー。鬼になるぞ」