第17章 地下都市の終焉
その2人の姿を確認し、彼は確かに笑った。
とても笑える様な状況では無い。
優一郎
「お前俺達をはめて…!」
フェリド
「黙って」
フェリドくんは声を荒らげた優の言葉は最後まで聞かなかった。
先程まで笑っていた彼から笑顔は消えている。
フェリド
「ミスると僕でも一瞬で殺されるから」
優一郎
「!」
彼ら達にとってかなりの脅威であるフェリドくんでも上位始祖には全く敵わない。
それほど強い吸血鬼だという事を認識させてからフェリドくんは前へと出た。
フェリド
「これはこれは上位始祖の皆様、お待ちしておりました」
ウルド・ギールス/レスト・カー
「………」
にこやかに声をかけたフェリドくんに彼らは言葉を発しない。
これは少しまずいかもしれない。
フェリド
「ロシアからの長旅ご苦労様でした。退屈なされませんでし…」
レスト・カー
「………」
フェリド
「え」
フェリドくんの話の途中に、レスト・カーが距離を詰めた。
そしてフェリドくんの心臓を一瞬で抜いてしまう。
優一郎
「ちょ…!」
クローリー
「動くな」
優一郎
「!?」
咄嗟に助けに入ろうと刀に手をかけた優を止める。
どうせ助けに入ったところで僕らでは何も出来ない。
皆殺しにされて終わってしまう。
そもそもこれは手出しする必要は無い。
クローリー
「これは彼のゲームだ」