第17章 地下都市の終焉
運転席から身を乗り出し、地面に倒れて空を見つめるフェリドくんを見た。
フェリド
「…ちょっと」
僕の笑い声が聞こえたのだろう。
フェリドくんは起き上がると、恨めしそうな顔をした。
フェリド
「何で急ブレーキ踏むのー?」
クローリー
「凄い復讐だったろ?」
フェリド
「え?あ…」
一瞬呆気に取られるフェリドくん。
でもすぐに先程の会話を思い出したようだった。
フェリド
「あはは!確かにねぇ!」
笑い転げるフェリドくんを見届けて椅子に座り直す。
クローリー
「ふぅ…」
遊んでいるが、ここは大阪湾。
近くには大勢の強力な吸血鬼の気配を感じる事ができた。
そんな気配を感じ取れない人間と、まだ若い吸血鬼であるミカは気づいていない。
優一郎
「つーかここどこだ?」
シノア
「多分…大阪です」
優一郎
「大阪?」
前へと移動し始めた人間達が出れる様にドアを開ける。
フェリドくんが良いと言うまで外に出すつもりは無いが、ここは安全なのだろうか。
?
「フェリド・バートリー!!なぜ出迎えに来ない!!」
そう思った瞬間、フェリドくんを呼ぶ声が響き渡った。
クローリー
「わ、お怒りだ…」
声の聞こえた方向には大勢の吸血鬼。
その先頭には第二位始祖のウルド・ギールスと第三位始祖のレスト・カーがいる。
フェリド
「………」