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罪と罰【終わりのセラフ】

第17章 地下都市の終焉




フェリドくんはつまらなそうだが、覚えているのも当然だ。
僕は4年前にフェリドくんがアリスに説明していたのを聞いている。


クローリー
「つまり僕らは兄弟だ。なのに僕は父も知らず、兄が何を考えてるのかも分からない」


おまけに何を思ったか突然妹まで作る始末だ。
こんな風に自分の味方を増やしている理由として思いつくのは1つ。


クローリー
「目的は親への復讐かい?」

フェリド
「………」


笑うだけで僕の質問に答えない。


クローリー
「教えてくれないと僕の復讐相手は君になるよ?」

フェリド
「ふふ、やるなら凄い復讐にしてよ」

クローリー
「…まったく」


今回のは冗談ではなく本気で思った事だった。
だが、それすらも楽しみに変えようとするのがフェリド・バートリーだ。


ミカ
「………」


そんな僕達の会話を黙って聞いていた奴が1人。
人間達は皆、仮眠をとっている為ミカは僕らを監視しているらしい。


フェリド
「…お?」

クローリー
「はぁ…」


フェリドくんも起きているミカに気づいた。
暇だったのか、嬉しそうに去って行く彼に溜め息が出る。


フェリド
「ミカくん、君も少しは寝た方がいいよ」


人間が寝ているからか、いつもより抑えめな声。


ミカ
「ふざけるな、吸血鬼は寝ないだろ」

フェリド
「え、そうなの?僕知らなかったなー」
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