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罪と罰【終わりのセラフ】

第17章 地下都市の終焉




クローリー
「…もういいよ」


やはりこんな風にしか教えてくれない。
諦めて話をやめると、フェリドくんが僕の横へ来た。


フェリド
「ま、あんまり知ると君が上位始祖に捕まった時に拷問されちゃうからさ」

クローリー
「あれ、珍しい。僕に気を遣ってくれてるの?」


意外な言葉に視線をフェリドくんへと向ける。


フェリド
「なんせ僕の愛しい息子だからねぇ」

クローリー
「…何が愛しいだよ」


思わず漏れた本音。

800年前にフェリドくんによって吸血鬼にされた事は今でも鮮明に思い出せる。
血の匂いに仲間達の叫び声、それらを引き起こした全ての元凶である彼の笑顔。


クローリー
「僕は君が無理矢理吸血鬼にした事、この800年ずっと恨んでるよ」

フェリド
「またまた〜」

クローリー
「それに君は僕にわざわざ他人の血を飲ませた。あれ誰の血だっけ」

フェリド
「覚えてないなぁ…」


禁忌を破ってまでやった事を彼が忘れている訳が無い。
引かずにフェリドくんの答えを待つ。


フェリド
「確か犬の血だったような…。わんっ!て言ってご覧?」

クローリー
「………」


面白がってとぼけたフェリドくん。
でも僕はその名前をしっかり覚えている。


クローリー
「斉藤と言ったかな…。君の主なんだろ?」

フェリド
「なんだ、覚えていたのか」
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