第17章 地下都市の終焉
大阪湾にはフェリドくんの別邸がある。
最終的にはそこに向かうのだろう。
クローリー
「何しに?」
フェリド
「グレンくんと待ち合わせなんだ」
クローリー
「!」
どうやらこれからが本格的に忙しいらしい。
終わりのセラフの実験現場で優達の事を裏切った一瀬グレンに、外国からやって来る吸血鬼達。
その両方が大阪に集結する。
クローリー
「思ったより大変そうだな」
いつもよりも壮大な今回のゲームに今更嘆いても仕方ない。
フェリドくんのゲームの登場人物として、巻き込まれた彼と共に頑張るしかないだろう。
バスへと戻って来る被害者達を見ながらそう思うしかなかった。
*****
バスを走らせて数時間。
もうすぐで大阪湾に到着する。
クローリー
「フェリドくん」
フェリド
「んー?」
クローリー
「もう大阪湾に着くよ」
指定された大阪湾の方から吸血鬼の気配が感じられるからフェリドくんなら気づいているはずだ。
それでも一応声をかけておいた。
フェリド
「お疲れ、着いたら忙しくなるね」
クローリー
「どう忙しくなるかは教えてくれないんだよね?」
フェリド
「そうだな〜、まあ詳しく説明すると…」
答えに全く期待せずに確認すると、フェリドくんは考え込む素振りを見せる。
フェリド
「凄く忙しくなるよ!」
そして笑顔で想定通りの事を言った。