第17章 地下都市の終焉
声は聞こえなくなったが、この変態吸血鬼が何も言わないからあそこにはいるのだろう。
フェリド
「あ、そうだ。暇つぶしにしりとりでもする?」
クローリー
「しないよ」
何が楽しくて男2人でしりとりなんてしなくてはいけないのか。
フェリドくんの提案を即座に断る。
フェリド
「りんごのご!」
クローリー
「しないって、ねぇフェリドくん」
まだ人間は帰ってこない。
だから今の内にまたあの質問をした。
クローリー
「そろそろ僕にも行き先教えてよ」
フェリド
「………」
クローリー
「これ、どこに向かってるの?」
僕が何度聞いても教えてくれない。
だが、人間達には行き先を言っていた。
クローリー
「本当に終わりのセラフとかいう実験の実験場?」
フェリド
「いや、そんなとこ行かないよ」
そうだろうと思っていたので驚きはしないが、先程のは何だったのか。
クローリー
「さっき行くって言ったじゃないか」
フェリド
「もちろん嘘だよ。信じちゃって優ちゃん達は可愛いよね〜」
クローリー
「あの子は僕と違って素直なんだろ」
普通こんなに怪しいやつを信じない。
だから素直に信じた優達はお人好しかただの馬鹿のどちらかだ。
クローリー
「まあそれはいいとして、結局どこに行くの?」
フェリド
「大阪湾」
明確な目的地がようやく分かった。