第17章 地下都市の終焉
もし壊れていても、恐らく目的はトイレ休憩ではなく作戦会議だ。
それならこの街で充分だろう。
クローリー
「さて、降りていいよ」
止めてドアを開けると、恐る恐る人間達が降りていく。
そして1番後ろにいたミカに声をかけた。
クローリー
「君はトイレに行く必要ないよね?」
ミカ
「!」
そんな僕の言葉に全員の動きが固まる。
この反応だとトイレではなく、何かしますと言っている様なものだ。
クローリー
「別に言ってみただけだから行っていいよ」
優一郎
「ほ、ほらミカ行くぞ!」
彼らを見送ってから僕らもバスを降りた。
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バスの前でしばらく待っているが、彼らはまだ帰ってこない。
フェリド
「みんなトイレ休憩長いねぇ」
クローリー
「きっと変態誘拐犯からどう逃げようか相談してるんだよ」
声が漏れ聞こえるから逃げてはいないが、もう少し声を抑える努力をするべきではないか。
フェリド
「もちろん変態ってクローリーくんの事だよね?」
クローリー
「フェリドくんの事だよ」
フェリド
「えー」
僕な訳がないだろう。
フェリドくんに変態と言われるのはかなり屈辱的だ。
フェリド
「それにしても全然出てこないねー」
さっきも話た事だが、フェリドくんがそう思うのも仕方ない。
彼らがトイレに入ってからもうかなり経っている。