第17章 地下都市の終焉
でも知らないのは僕だけで、人間達はよく知っているらしい。
フェリド
「その仲間達は死んだ。彼はその仲間達の死に取り憑かれている」
知らないからこそ僕は何も気にならなかった。
でも知っている人間達からすると、この話は有り得ない事なのだ。
シノア
「ちょっと待ってください!そんなはず…」
フェリド
「いや死んだ。で、蘇生された」
優一郎
「!」
シノア達の反応を見て、今彼らは生きていると分かる。
そしてフェリドくんの話を信じるのなら蘇生は本当にできるという事だ。
フェリド
「だけどこの世界で生命の蘇生は許されていない。心の狭い神様はお怒りだ」
ミカ
「神様…」
フェリド
「そして代償はとても大きかった…何が起きたと思う?」
その問いは馬鹿でも分かる。
8年前といえば起こった大きな出来事はただ1つ。
フェリド
「世界中の人間がウイルスで死んだ。一瀬 グレンはずっとその罪と罰に独り、取り憑かれている」
優一郎
「なんだそれ…」
一ノ瀬 グレンが抱えていたのは想像もできない程の罪。
彼の行動により、大量の人間が死んでしまったという事実は到底償いきれるものでは無い。
フェリド
「ほーら、どんどん僕に興味が出てきたでしょー?」
優一郎
「は?」