第17章 地下都市の終焉
そこまでしなくても他の子供達と同じ様に死体を保管すれば良かったはずだ。
現にそれだけで彼らには充分人質の効果を成している。
優一郎
「くそ!」
ミカ
「アリスを人質として傍に置いていたのか…」
フェリド
「どうだろうねぇ」
2人はそれに至らない様で、フェリドくんの言葉をそのまま受け取っていた。
フェリドくんに対して怒りを隠そうともしない。
フェリド
「でもアリスちゃんはかなり優秀な子でね。予定には無かったけど彼にとっても良い人質になってくれたんだよ」
クローリー
「……」
彼、と言ってフェリドくんはこちらを見た。
クローリー
「…フェリドくん、僕は人質なんかいなくてもちゃんと指示に従ってるだろ?」
フェリド
「はは、そうだねぇ〜」
自分で煽っておきながらあっさりと引く。
つまり彼は本気では無く、暇つぶしに全員をからかっているのだ。
クローリー
「それでもアリスは僕の可愛い妹だ。殺そうとするなら…」
フェリド
「わあ、こっわ〜い」
冗談と分かっているが、人質として扱うのなら許さない。
そう言おうとしたが、心が篭っていない言葉で遮られてしまった。
クローリー
「はぁ…」
それでどうでも良くなった僕は会話を辞めて運転に集中する。
ミカ
「アリス…」